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2020年の業績発表から見えるマーケット
2月に入り、Withコロナの2020年において業績が悪化しなかった企業が新聞等で色々と紹介されるようになりました。2021年1月後半から2月前半にかけて日経新聞で報じられたニュースから抜粋しますと、以下の業種において「計画通りかそれ以上」という発表が多く見られました。
・EC(Eコマース)
・健康
・ゲーム
・半導体
・医療/メディカル
・5G
・コンテナ
・宅配/国際物流
・シェアオフィス
・ネット株
・事務機
・液晶向け機能フィルム
・医薬品
・工具
・園芸機器
・企業買収
・ハム
・調味料
・冷食
・家電量販(PC/TV)
・PC周辺機器、LANケーブル
デジタルマーケティングの世界では「ペルソナ分析」という、Webやアプリ等から出てくる様々なデータを分析しながらターゲットユーザー像を仮説で作り上げていく事が行われますが、業績が安定しているこれらのカテゴリを見るだけでも、このコロナ期において多くの人が「どんな事を求め、活動していたのか」というのが少し見えてきます。ペルソナ分析ではそのようなユーザー像を繰り返し仮説で作り上げ検証をし、アプローチの良化を目指していきます。その観点で考えると、上記のカテゴリから下記のような人物像が浮かび上がってきます。
・在宅勤務により通勤時間が減り朝食をとる時間が増え、自炊する機会が増えた。
また家庭菜園セットをECサイトで購入して自炊に使える家庭菜園を開始した。
・在宅勤務の為、自宅の作業環境を整える必要がありECサイトを通じてPC周辺機器を購入した。
普段持っていない工具セットも買い小規模なリノベーションを自分で行った。
・外出する事が難しく交際費の支出が減ったのでネット株に投資をするようになった。
Eコマース等で必須のマーケティングとなる「デジタルマーケティング」は最近始まったものではなく、1990年代から実施されているものです。ただ、その対象範囲が当時は物凄く狭く影響力も低かったわけですが、その後に高速インターネットなどの通信環境の飛躍的な成長、ノートパソコンやiPhoneなどのモバイルデバイスの普及などによってその影響範囲を徐々に広めてきました。タイにおいてもデジタルマーケティングは東南アジアの中でも早い段階から普及が進んでいましたが、その普及と存在感を絶対的なものにしたのがやはり現在世界中が苦しんでいるCovid-19の発生です。
2020年初頭、タイにおいてもCovid-19が感染拡大し、4月から緊急事態宣言によって外出レベルが規制され家電や服などの購入等にも大きな影響がでました。そのような中で、タイではインターネット通販需要が激増し、その宅配役としてバイクが活躍、グラブバイク、LINEMANなどの宅配バイク業が国民の生活を支えました。関連する業界は一斉にデジタルマーケティングを使って外出制限の中でも生活の質、企業のサービス提供が維持できる方法・サービスを訴求し続けています。
それを顕著に示す現象がGoogle trendで見て取れます。
下記は2004年から現在までのタイにおける「Digital Marketing」という単語の注目レベルの推移です。Googleでどれだけ話題になったかというスコアです。やはりCovid-19発生後に注目が上がり始め、感染者数が深刻になった2020年3月がピークになります。そして、その後も現在に至るまで高いスコアを記録し続けています。しかし興味深い事としては、Covid-19の危険が非常に高いレベルで叫ばれたのは2020年3月、12月だったにも関わらずその翌月は「Digital Marketing」の注目度がどちらも大きく落ち込んでいるという事です。弊社もこの上がり方、落ち込みに関して大いに注目をしています。
ITPタイランドではINTEGRATED MARKETING(統合型マーケティング)というオンラインマーケティング、オフラインマーケティングの両方を大切に企画・実行する専門チームを社内にもっています。そこでは上記のペルソナ分析や市場分析も含め、どのようなユーザー(個人、企業)が市場に存在し、彼らがどのような支援を求めているのか、そして彼らに対してクライアントのサービスをどのように提供すべきなのかを日々考え、実行しています。
これからもタイの皆様とクライアントの企業活動をしっかりと裏方としてサポートできるよう、社員一同精進して参ります。
Covid-19の問題が1日も早く解決し、世界中の人々と企業が安心して活動できる日が来る事を心よりお祈り申し上げます。
記事:小山義一
ISHIDA TAISEISHA (THAILAND) CO.,LTD. 社長
1999年に大学卒業後、コンテンツ制作会社国内勤務・海外勤務を経て2010年にITP入社。以降タイ拠点にてタイ・カンボジア・ミャンマーマーケットを中心にマーケティングセールス部門、ITアプリ開発/デジタルマーケティング部門、翻訳部門を担当。2020年から現職。タイの他、フィリピン大手のデジタルマーケティング企業・SVEN社との合弁会社 ITP-SVEN Philippinesも担当兼務。海外勤務通算歴14年。